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2011年より荒川に数多く生息していたヒヌマイトトンボ(環境省レッドリスト区分:絶滅危惧Ⅰ類)の生息状況の調査を開始しました。近年の荒川下流河川事務所の調査で、確認されているのは足立区の某所のみとなっていました。

絶滅危惧種の復活プロジェクトの特徴

これまでの試み

かつて荒川には墨田区の京成押上線鉄橋周辺など、いくつかの生息地がありました。私達は、過去の資料や行政機関をヒアリングするなかで、平成12年以降、行政調査においてもほとんど確認されなくなっていることがわかりました。現在確認されているのは足立区の某所の1箇所のみとなっています。
学識経験者など有識者の知恵をお借りして、現在の生息地を如何にして守り、新しい生息地を拡大していくか、その構想を考えています。
2011年からは行政調査も行われなくなるなか、6月の中旬から荒川クリーンエイド・フォーラムのスタッフが生息地で同種のモニタリングを開始しました。

同年7月2日(土)ついに成虫体を発見。これまで行政調査でのみわずかな個体が発見されていたものの、市民レベルでは十数年ぶりの発見となりました。まだ体の色がはっきりしない未成熟の個体ではありましたが、大きな成果です。
場所をオープンにしないよう配慮しながら、そのかけがえのない生命の大切さを社会に発信すべくプレスリリースを打ったところ、7月7日の読売新聞に掲載され、多くの読者に発信されました。

読売新聞7月7日(木)朝刊(江東版)に掲載

2011年8月21日(日)の夕方に放送される環境番組「トコトンハテナ」で代表理事のインタビューや成体調査の様子が放映されました。ロケ当日の調査では、奇麗なオスの成熟個体が、発見されました。
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2011年は5匹、2012年は7匹、2013年は4匹、2014年はわずか1匹、2015年は3匹、そして2016年も3匹でしたが、とにかく生存を確認してきました。正確に言うと、2014年以降は目視確認だけで写真に収めてはいませんが、状況から判断して、ほぼ間違いないだろうと考えています。

今後の予定

ヒヌマイトトンボが復活するには、まず現在の生息地であるヨシ原群落内で干潮時でも水が浸るエリアを少しでも大きくすること、そして、別の場所に同じような環境を整備することにあります。荒川クリーンエイド・フォーラムは行政に対して、こうした問題意識の発信と具体的な交渉を進めていく予定です。

複数年の後、ヒヌマイトトンボの生息地を拡大し、かつての自然豊かな荒川を沿川市区へ発信します。

※ 絶滅危惧種の復活プロジェクトは、2010年より3年間、三井物産環境協基金より助成金をいただきました。
                                         



2016年の活動

荒川水系で唯一生息が確認されている保全地で、
今年も6月末から8月中旬まで観察を続け、僅か3匹ながらも生息を確認しました。

保全活動は、単にモニタリングするだけではなく、ヒヌマイトトンボが産卵して孵ったヤゴが越冬し、
翌年初夏に羽化するまで生息できる環境を整えることが必要です。

生息地のヨシを刈ってゴミを拾い、水が漏れ出ないように川側に水の流出を防ぐ土盛りを行いました。
ヨシ刈りは足立区さんが引き受けてくださり、ゴミ拾いは荒川クリーンエイド・フォーラムが
呼びかけて行い、続いて有志で土嚢積みを行いました。

次に、川側の堤防が崩れている箇所は、国土交通省荒川下流河川事務所さんが
水漏れを止める工事をするなど官民で協力しながら保全をすすめています。

ヨシが伸びた6月初旬に、ヒヌマイトトンボの生息を確認するための観察路を作りました。
幅約60㎝の両側に篠竹を1.5m間隔に立てシュロ縄で結んでヨシが倒れこまないようにし、
通路には刈り取った古いヨシを束ねて敷きます。
 

6月29日から8月17日まで、20回・延べ46名で観察を行いました。
この6年間で最多人数でした。今年は、地元の本木ワンド自然の会さんが多数回3人で参加し、
発見回数も3回のうち2回が同グループによるものです。
 

いくつか課題も見えてきました。
川側の小堤防に土嚢を積んで補強し、水の漏出をストップしたつもりでも、
大潮の期間以外(中潮・小潮)で雨がなければ水はなくなりました。
土嚢を作る際に掘った水溜りも深さ10㎝ほどでは干上がってしまいました。
したがって、一年中を通じて水溜りができるようにするにはもう少し深い水溜り
(スコップで掘った後)が必要であり、来春のヨシ刈り後に参加者を募り
実施することを計画します。