月別アーカイブ: 2016年8月

荒川でも多く拾われるプラスチックゴミを減らすためにはどうすればよいか。
流れ出てしまったものを拾うだけでなく、その発生源対策をしない限り問題解決に向かいません。
私たちのような市民団体だけではなく、企業や行政、そして一人ひとりが同じ方向を向いて動くことが必要です。

今回のセミナーでは、「プラスチックゴミ対策の最前線 実はこんなにやっています! ~発生抑制や有効利用について~」というタイトルで、プラスチック製造業界およびリサイクル推進業界から2団体をゲストに迎え、各団体が取り組むプラスチックゴミの対策や事例を紹介してもらい、「企業・業界団体とNPO/NGOとの連携の可能性を探る」をテーマにディスカッションを行いました。
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はじめに各団体からの発表。
荒川クリーンエイド・フォーラムからは、2015年のゴミ調査結果(散乱ゴミの上位15のランキングや、用途別に落ちているゴミの割合)や最近のゴミの状況や、ゴミの影響について紹介しました。
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続いて、日本プラスチック工業連盟(以下 プラ工連) 専務理事 岸村小太郎氏から、ゴミ問題に対する取組みや関係団体での取組について紹介がありました。プラ工連は原料樹脂関係や加工関係などの団体・企業が会員となっている、プラスチック産業の代表組織です。
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主なゴミ問題への取組としては、
・「樹脂ペレット漏出防止マニュアル」の作成と関連企業への配布(’92年~’94年)
・樹脂ペレット漏出防止対策の実施状況調査(これまで6回)
・「リーフレット『樹脂ペレット漏出防止』徹底のお願い」の作成と関係業界への配布(2013年~14年)、および漏出防止対策実施状況調査(2015年)
・国際会議の場で取組みの報告(当団体の活動の紹介も)

などです。

また、全国の満20歳以上男女4,000人に行った「プラスチックイメージ調査」を2016年に実施しており(有効回答数1,201人、全体の3割)、そのアンケート項目の一つに「プラ製品は町でポイ捨てしても海洋ゴミになると思うか」という質問に対しては、約半分の人が「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と回答。

しかし、「どちらともいえない」「そう思わない」「わからない」と回答をした人も半数いることから、まだまだ川ゴミ・海ゴミ問題の理解が進んでいないことが明らかになったことも報告。

他団体の取組みとして、発泡スチロール協会(JEPSA)の取組みについて紹介。会員企業が工場に使用済みの発泡スチロールの処理機(減容機)を設置し、リサイクルを実施していることなどを紹介しました。
プラ工連としては、今後もペレット漏出防止キャンペーンの見直しと継続実施、会員各社トップによる「ペレット漏出防止、海洋ゴミ対策への取組み」(仮称)宣誓書への署名推進などを行っていく計画を発表しました。

一般社団法人 プラスチック循環利用協会(以下、循環協)総務広報部 冨田斉氏が、団体の事業内容やプラスチックのリサイクル状況について紹介されました。
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循環協での主な取組みは、
①廃プラスチックの発生・循環的な利用及び処分状況の調査研究、環境負荷の評価手法等適正な利用を促進するための調査研究
②プラスチック及び廃プラスチックの循環的な利用に関する教育・学習支援並びに広報
③プラスチック及び廃プラスチックに関する内外関連機関との交流・協力

の3つです。

とくにリサイクル環境教育・学習支援では、2015年では理科教師向け等の研修や小・中・高・大、自治体や団体への出前授業を43件行ったことが報告されました。

その他に、プラスチックの生産に向けられた原油が約3%(2014年実績)であること、樹脂生産量(再生樹脂投入量含む)に対して、83%がリサイクルで有効利用されていること、プラスチックのリサイクル手法と成果物についての紹介が行われました。

他の団体による事例紹介では、和歌山市でプラゴミが分別回収から一般回収に変更となること(分別方法がわかりにくく徹底されていないこと等から)などの紹介がありました。

セミナーの後半では、「業界団体との連携を探る」をテーマに、当団体からプラ工連、循環協に質問を行っていく形式で、ディスカッションを行いました。
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【主な質問内容】
Q.1 プラスチックゴミが流出し、荒川のようにゴミとして溜まってしまっているという川ゴミや海ごみ問題について、関連企業などはどのように認識をしているか。
(岸村氏)ペレット漏出防止などを呼び掛け始めたころよりは、各事業団体で漏出防止の管理や発生源対策など進んできているように思う。会長も連盟誌の巻頭挨拶にて「漏出防止の徹底を図るとともに、他団体、NPO等と協力し「海洋ゴミ」を減らす努力を続けます。」といった、海ごみの対策について言及している。責任者・担当者レベルでは認識が広がっているが、会員全員までとなるとまだ難しい。
(冨田氏)学校の出前授業では、前もって学校の周囲でゴミが落ちている様子を写真に撮り、講義に使用している。ゴミを気にする子が多い。

Q.2 荒川では細かいプラスチックゴミが多く見つかる。拾っている方としては、さらに細かくなり再度流出し、海へ流れていくことを懸念しているが、万が一自然界に出ても、環境負荷の影響が少ない素材の推進などはできないか。
(岸村氏)素材でいえば、生分解性プラスチックやバイオプラスチックといった研究が進められているが、コストや性能などがまだ課題。
(冨田氏)今のプラスチックの素材に生分解性プラやバイオプラが混ざることになる。また、現有のプラスチックに比べてコストや性能面で不十分のため普及するには時間が掛かっていると思う。

(ここで、当日参加していた、東レ株式会社(荒川クリーンエイドにも毎年参加実績あり)に自社の製品で、環境に考慮した製品はあるか、という質問を行いました。)

(東レ)自社製品としては、小中学校で使うリコーダーに生分解性プラスチックが利用され、全国に普及されている。

最後に具体的な連携の方法を探るために、当団体から、プラ工連、循環協を通じて会員の団体・企業に、連携の可能性を探る意図で、アンケートを実施できないか?と提案を行いました。
その結果、2団体からは「ぜひやりましょう!」という前向きな返事を得ることができました。

まだ「内容をどういったものにするか?」「実施時期はいつか?」など、進めるにあたっての課題はありますが、問題解決に向けた一歩を今回のセミナーを通じて踏み出せたと思います。
                                         (ふじも)

こんにちは、荒川クリーンエイド・フォーラムさんでのインターンに参加している
明治大学農学部食料環境政策学科二年の西岡千尋です!
学科の長い名前にもあるように、普段は農業や環境についての勉強をしています。
プログラムの一環として体験説明会に参加させていただきましたので、今回の記事は私が担当します^^

荒川クリーンエイドでは、これからの季節に行われる数々のクリーンエイドに先立ち、
体験会とクリーンエイドの実施方法の説明会を開催しました。
実施場所は、足立区生涯学習センター付近の荒川河川敷です。
橋の下のあたりに集合だったのですが、駅から来られる方など
もしかしたら見つけづらかったでしょうか?
しかし、企業団体さんだけでなく、高校生や小さなお子さんも参加してくれました!
長靴も履いていて、やる気満々の人もいました!

☆午前☆ 荒川クリーンエイド体験会

 荒川クリーンエイドを実際に体験するにあたって、
 ゴミ拾いをどう行うのか、注意点は何か、だけでなく
 この荒川クリーンエイドの大きな特徴である「調べるゴミ拾い」についても
 最初に説明がありました。

 まずは体験の説明です。
 草むらなど、植物で切ってしまったり動物がいたり、
 加えて水辺なので、危険もたくさん潜んでいます。
 軽装であったり動きづらい靴で来ると、案外危なかったり……。
 運営側に携わり、皆さんに安全にゴミ拾いをしてもらうには
 どうすることが必要なのかと、説明を聞きながら考えました。
 当日はどんよりした天候だったので、突然の雨にも注意しなくてはいけませんでした。
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 それでは軍手もしっかりして、いざゴミ拾いへ!
 ゴミの種類と数をしっかり記録しながら、どんどん拾います。
 お菓子の包みや空き缶、ずたずたになったビニールがたくさんありました。
 少し土や枯葉を避けると、その下にもたくさん……。
 中にはスーパーの買い物かごなど、なんでこんなものがといったものもありました。 
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 ふりかえりとして、拾ってみてわかったことや感じたことをみんなで共有しました!
 今はきれいになったけど、この状態を保つためにはどうすればいいのだろうか?
 拾うことは一時的な対処法にすぎません。拾っても拾っても、またゴミは流れてきます。
 流れてくるゴミが減るように、正しく分別をしたり、再利用することが
 豊かな河川に繋がればいいなと、集めたゴミの量を見て思いました。
 そして、たくさんの人に、汚れてしまっているこの状況を知ってもらえるように
 自分でも気をつけたり、発信をすることがまず一歩になるのではと感じました。
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 自然を楽しもう!ということで、
 綺麗になった河川敷でヨシ笛を吹いたり、ベンケイガニを見つけました!
 カニは大きな石の裏などに隠れていますが、
 胴が手のひらサイズの大きなものもいて、とても驚きました!
 そして、ヨシ笛は難しい……全く音が出ませんでした(汗)
 環境が改善され、もっとたくさんの生物が棲むようになれば、
 近くに住む人々も魚や動物と触れ合うことができるのでしょうか。
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☆午後☆ 荒川クリーンエイド説明会

 午前に体験した荒川クリーンエイドは、それぞれの団体がどのようにして実施・運営をしていくのか?
 荒川クリーンエイド・フォーラムの活動を紹介しながら、解説が行われました。

 そして放っておけないのが安全管理。
 午前中の開催でも説明をしっかりしていたように、危険がたくさんあります。
 それは動物や植物によるものだけではなく、先端の鋭いものを拾ったり、
 参加者の体調にも気をつけなくてはなりません。
 何にも代えられず、怠ることができないのでじっくりと解説をしてもらいました。
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 最後に活動した後のフィードバックについての説明です。
 ただ拾うだけではなく、この先のことを、
 たくさんの人々に考えてもらうきっかけが必要です。
 そのためにも、ふりかえりのプロセスを踏むことが求められているのだと思いました。

☆おわりに☆

 ゴミは身近なところで、いくらでも出てきます。
 しかし、身近にあるからこそ、できることがあるのだと思います。
 ゴミを拾うことで、自分の捨てた物ももしかしたら流れてきているかもしれない、
 魚が苦しむ原因になるのかもしれない、と気にして、
 たくさんの人が、ゴミ拾いから環境に配慮するようになればいいなと思います。

 大学での講義で、環境汚染の話題やゴミ処理の問題については取り上げられます。
 しかし実際に河川の状況を見ることで、自分が想像しているよりもひどく
 衝撃を受け、ゴミの問題は急を要するのではないかと感じました。
 しかし一度にすべてのゴミを取り除いたとしても、
 ゴミは生活と強く結びついているがゆえに、すぐに解決するものではないと思います。
 だからこそ、このような活動を通して、一人ひとりの環境に対する意識付けをしていき、
 長期的な目で皆が取り組んでいくことが必要なのではと考えました。

 これからの時期は涼しくなっていくので過ごしやすくなります。
 周囲の人を誘って、ゴミ拾いで心も気持ち良くなるのはどうでしょうか?
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(明治大学 二年 西岡)