楽しく学べる!!夏休み親子セミナー

 快晴の中『荒川の魚と水・ゴミを調べてみよう』というテーマで、親子体験教室を行いました。(2000年7月29日開催) 足立区都市農業公園に大人9人・子供8人の計17人が参加し、昨年に続き、第3回目の開催となりました。午前中A班・B班の2班に分かれ、先にA班が鹿浜で船宿を営む森口公利さんの釣舟に乗り、川へ魚類観察に出て、B班はその間、ゴミのクリーンアップと調査の体験を行いました。船が戻ってくるとA・B班入れ代わり、別メニューの体験をしました。午後は都市農業公園内の研修室でゴミマップ作りや、各自持参した水の水質調査・水中微生物の観察を体験しました。このような内容で一日中、荒川を満喫した内容の濃いセミナーとなりました。


ゴミ調査の結果

 まずB班が芝川の流れ込む領家水門の所から船宿までを担当して、ゴミを拾った後、その数を散乱ゴミ調査カードに記入しました。時折川風が吹き心地良いものの、猛烈な日差しの中、汗をかきながらのきつい作業でしたが「ここにも、ここにもある」と、次々にゴミ袋の中に収められて行きました。続いてA班も同じように船宿周辺で調査を行いました。A・B両班合計でゴミ袋15袋分集め、そのゴミの内容は上位に飲料缶や、食品トレイ等のゴミが多いということがわかりました。風で飛ばされて来たり、上流から流されて来たりと、原因は多数考えられますが、その場で飲み食いし、タバコを吸い、新聞や雑誌を読み、そのまま置き去りにしたゴミが多いという感じたがしました。その他この表には記入してない消火器・ドラム缶そしてバイクや、タイヤなど不法投棄された粗大ゴミも多く、その現実に参加者から「ゴミを拾うことは重要だが、ゴミを捨てないという、個人個人のモラルこそ必要なのでは」という声も聞かれました。トノサマバッタやコガネグモ・カマキリ・チョウチョウ類そして野鳥等を目にした子供達は、「こんなにたくさんの生き物達が住んでいる場所にゴミを捨てるのは、生き物達がかわいそう」「ゴミを捨てるのは、いけないこと」と口々に感想を話していました。子供なりにゴミ問題を考えられたことで素晴らしい貴重な体験ができたと思います。


荒川で取れた魚

 川面は川岸より涼しく、ゴミ拾いで流した汗も引く感じでした。淡水魚研究家の君塚芳輝先生と助手の飯島さん、藤澤さんが投じる投網に注目し、魚が網に掛かっていると、拍手と歓声が沸きあがりました。A班の時には56cmもある大きなコイが掛かり、研修室には持って行けないので川に放したら男の子が、『まだ見ていたい!逃がさないで!』と、しばらく泣きじゃくっていました。水族館で生きている魚は見られますが、それに触れるチャンスはそうめったにある訳ではないので、きっと悔しかったのでしょう。とても素直な子供らしさに感心しました。午後からは君塚先生より取れた魚(コイ、ニゴイ、ギンブナ、スズキ、ボラ、チチブ、マハゼ)の説明、潮の満ち引きの仕組みについて話がありました。「荒川は海水と淡水が混ざっている汽水域と呼ばれる水域が、堀切橋辺りまで広がっていること、潮の干満によりスズキやボラ等の海水魚も川に上がって来られるのです。それと浸透圧という海水と淡水の環境の変化に体を対応させる仕組みもあります。荒川には36種類もの魚が生息していて、このことからも荒川の自然環境、生態系は素晴らしいと言えます。」と自然の仕組み・不思議なことをわかり易く話していただきました。

 水質調査は、「手間が掛かり難しい」と考えている方も多いと思いますが、今はパックに入っている試薬があり、いつでもどこでも気軽にできるようになりました。

 試薬の入っているパックに画鋲の先で穴をあけ、調べたい水をパックの空気を抜きながらパック内に吸い込みます。この工程だけちょっとしたコツを必要とし、うまく水が入らないと正しい値が計れないので、子供達も真剣に挑戦していました。うまく水が入り中の水の色が変わるとスタッフに「どうして? なんで?」の質問攻めで、スタッフ一同たじたじでした。色の変化を識別表で確認し、値を確認します。やはり沢の水や上流の水は透明度もよく、下流に来るほど濁り、水質も悪化しているのが目に見えてわかり、子供も大人もパック試薬に感心、結果に納得し「夏休みの自由研究にもなる」との好評さでした。


 顕微鏡の世界にも興味を持った子も多く、ほとんど目にすることのないミクロの生き物達に遭遇し、その奇妙な姿に驚いていました。公園内の池の水を中心に観察し、イカダモや唇の形をしているクチビルケイソウ、鼓の形のツヅミモ等、植物性プランクトンが数多く見られ、ミドリゾウリムシ・タルガタゾウリムシ・ツリガネムシ等の原生動物界に分類される動物性プランクトンも見られました。原生動物とは植物の特徴・動物の特徴両方を兼ね備えた、植物とも動物とも言える単細胞の生き物で、それらが属する界が原生動物界といいます。ワムシ類は輪形(リンケイ)動物に属し、多細胞動物でこれら総て0.1mm以下の生き物です。やはりこのコーナーでも鋭い質問が幾つかあり、担当スタッフは冷や汗をかきながら幾つかの質問に答えて、どうにか子供達を納得させていました。微生物観察も顕微鏡があれば手軽に行えることのひとつで自由研究に、ぴったりの題材です。

 このセミナーの最後は、『ゴミマップ』作りです。午前中ゴミを拾いながら、数・種類・落ちていた場所をチェックしておき、ゴミの種類別に色分けして(缶は青、ペットボトルは赤等と決めておく)、用意しておいた白地図に記入していき、皆で協力し合い立派なゴミマップが完成しました。このマップ作りからもゴミ問題に、どう対処すれば良いのかを話し合い、参加者もスタッフもなにかを学び意義深いものとなりました。

 親子セミナーは自然・環境・生き物達に直接触れ,学べる自然塾です。荒川の自然や生き物、環境やゴミ問題、歴史や川の利用法等、多方面から『楽しく学べる荒川』を、これからも数多く企画・開催していきたいと思います。