10月28・29日、「大滝源流まつり」と、三峰神社で行われた源流シンポジウムに参加しました。荒川クリーンエイド・フォーラムから佐藤さん、中土手に自然を戻す市民の会の大塚さんと私の3人。雨が心配されていましたが、好天に恵まれ、9月の大滝セミナーの際、三峰神社副宮司の山中さんに説明を受けた際、昔は皆さん表参道を歩いて登ってきたという話を聞いていたので、ロープウエーは利用せず歩いて登ることにしました。地元の方の話だと1時間くらいということでしたが、この参道が思った以上に険しく2時間もかかってしまい、地元の人と我々の足の違いを思い知らされました。春に花を咲かせていたマムシグサが、赤い実に変わっていたり、夏に聞こえたセミの声もまったく聞こえなかったり、深緑だった葉も色付いたりと、色々な四季の移り変わりを直に感じることができ、とても内容の濃い2時間でした。途中に2~3軒、今は使われていない宿房が遺されており、半世紀ぐらい前も、この道を我々同様に「はぁーはぁ」言いながら登った人の姿を見てみたい思いに駆られました。
源流シンポジウムでは、新井裕氏がコーディネーターを務め、大滝村村議会議長の山中敬久氏、東京大学秩父演習林林長の仁多見俊夫氏(以上は5月に大滝村栃本で行われた「荒川流域水環境シンポジウム」での登壇者)、そして東京大学院助手の山本洋司氏による話がありました。
山中氏は、これからの林業について、例えば木を伐採してそのあとに苗を植えても、カモシカなどに食べられてしまい、その対策費だけで木を売った金は消えてしまうという現実を紹介し、林業に携わる人々が森とともにどのように生きていくのか、行政がどのような対策を行えばよいのか、深刻な現実を紹介されました。また、仁多見氏は、東大演習林が大滝村の約5分の1を占めていることを踏まえ、原生林を含む自然を生かし、新たな情報技術も駆使して、都会の人々に潤いを与える場として宣伝活用していく可能性について、非常に興味深い問題提起をされました。
第2部のパネルディスカッションでは、「百年の森づくりの会」の内藤勝久氏の報告の後、会場参加者約150人を交えて質疑討論が行われました。荒川クリーンエイド・フォーラムから、5月に行われた「荒川流域水環境シンポジウム~問題提起と討議の記録」とリーフレットを参加者に配布し、佐藤事務局長が源流の森を護るために、下流と流域に住む市民や自治体・企業などがそれぞれ何ができるかを考え、申し出てほしいと提言しました。
NHKの「ひるどき日本列島」で大滝村の80年もののヒノキの原木が1本400円と紹介され、全国から問い合わせの電話が殺到して、村がてんてこ舞いした話が紹介され、林業の可能性について議論されました。
また、森に棲む野生動物が植林した苗や畑の野菜などを食い荒らしたり、人家に入って来て仏壇のお供えを食べてしまうといった獣害(カモシカ、イノシシ、サルなど)について、村が行うオスジカなどの害獣駆除について自然保護団体等から抗議が寄せられるが、山に住む人々にとっては死活問題であり、「野生動物の保護」といったきれいごとではすまされない重大な問題を含んでいることを知りました。
このシンポジウムで話された問題は、5月の水環境シンポジウムで話された問題で、その解決策について、もっと下流部に住む多くの人々に問題を投げかけ、突っ込んだ議論をしていく必要があるということを実感しました。(報告:橋本 浩基)
