荒川下流部ゴミ対策アクションプランとその現状について

 国土交通省荒川下流工事事務所管理課


 荒川の不法投棄の現状は、陸上部・水辺部で平成11年度260トン、平成12年度152トン。水面清掃船では平成11年度139トン、平成12年度133トンと共に減少傾向にあるのですが、その一方で、平成13年4月からの家電リサイクル法の施行に伴い、テレビ・エアコン・洗濯機・冷蔵庫の家電4品目が急増し、平成12年度1年間で32個確認されたものが、平成13年度では11月までの8ヶ月で既に46個確認されています。これは昨年の2倍強のペースです。

 こうしたなか、荒川下流工事事務所では、荒川下流部の様々なゴミ問題を地域共有の問題と考え、河川管理者だけでなく地域の自治体や市民の方々と共同で取り組んでいこうと平成12年9月「荒川下流部ゴミ対策アクションプラン」を策定しました。このアクションプランは、6つのプランで構成されています。


1.ゴミホットライン

 専用の電話番号を設置し、24時間体制で受付けるというものです。

 具体的には、粗大ゴミを見つけた場合こちらに電話をすると、直ちに現地の確認を行い、不法投棄者特定の証拠となるような情報収集を行い、投棄者が判明しない場合にも逐次ゴミの処理を行うというものです。場合によっては、警察の協力も得ながら処理していきます。

 また、通報されたゴミということの目印になるような黄色いステッカーを用意してありますので、それが貼ってあるゴミについては通報を受け現在調査中ということになります。


2.いつでもできるゴミ拾い

 日頃、個人やグループなど荒川のゴミを拾いたい、といった方のために、ゴミ袋の支給・ゴミの仮置き場の提供・ゴミの処理を地域の自治体と連携し支援していくものです。

 具体的には、(下流から)江東区・江戸川区・墨田区・葛飾区・足立区・北区・板橋区・川口市については、河川敷または川の近くに専用のゴミ仮置き場を設置し、集められたゴミについては各自治体が定期的に片付けるというものです。分別方法は、自治体ごとに異なりますが、ゴミの仮置き場に詳細を記した看板を設置してあります。

 また、戸田市については、旭が丘町会・川岸町会の協力を得て、一般のゴミ収集場所に置かせて頂いております。この場合、一般家庭用のゴミ収集となり曜日によって収集するゴミの種類が変わりますので注意が必要です。

 なお、ゴミ袋についてはそれぞれの配布場所において無料で配布しています。


3.漂着ゴミ対策

 漂着ゴミは水際部のヨシ原などに入り込み堆積し、河川環境を悪化させるため、河川管理者が定期的・計画的にそのゴミを除去するものです。荒川下流工事事務所では日常的に水面清掃船を運用して漂着ゴミを除去しています。

 平成12年度では、板橋区自然公園付近、足立区の西新井橋上流付近、葛飾区の四ツ木橋付近、江戸川区の総武線下流~船堀橋下流、その他ゴミの量が著しいヨシ原内や水面の清掃を行いました。収集処理したゴミは、バッテリー155個、タイヤ125本、自転車50台を含め、約108トンもの量でした。

 2001年は、9月の台風15号による増水で、かなりの漂着ゴミがヨシ原内に堆積しています。これについても計画的に対応・処理をしているところです。

 また、漂着ゴミのうち、小さなゴミや安全な場所での除去は住民の方々が行っている場所もあります。


4.ゴミの捨てにくい環境づくり

 ゴミを拾うだけでなく、捨てさせないための環境づくりをソフトとハードの両面から行うものです。

 ソフト面の対策としては、ゴミの持ち帰り運動・教育との連携による啓発活動・愛犬家のマナー向上・上流への呼びかけ。などを行っていきます。例として、実際河川敷のグランドなどに設置していたゴミ箱を撤去した自治体からゴミが減ったという報告を受けています。

 また、日頃からゴミが捨てられやすい戸田市・川口市内の堤防脇の道路沿いに、小学生が描いた河川美化啓発に関する絵を設置しゴミの不法投棄を防止する、ということで現在準備を進めているものもあります。

 ハード面の対策としては、きれいにする・ゴミ捨てを施設的にしにくくする・人の目を行き届かせる、などを行っていきます。これは、既にゴミがあることがサインとなって次々にゴミが不法投棄される場所が多く、ゴミがあることが不法投棄者に心理的な安心感を与えているものと考えられるため、ゴミをできるだけ速やかに片付けるというものです。また、実際ゴミを捨てられやすい平場やポケット等にフラワーポットを置くなどしてゴミを置くスペースや、車を止めるスペースをなくすことで不法投棄を防止するなどしています。

 平成12年度には、ハード面の整備として堤防裏の不法投棄を防止するために、車止め前面のスペースをなくすためのバリケード設置や、2次的効果ではありますがゴミの捨てられやすい場所に福祉の坂路を設置することにより、人の往来が増し、ゴミが捨てづらくなることも期待しています。


5.荒川クリーンエイド

 NPO法人 荒川クリーンエイド・フォーラムがゴミ拾いを通じて自然豊かできれいな荒川を取り戻そうと、平成6年から毎年行っている一斉清掃活動で、河川管理者を始め、地域の自治体や企業・市民団体・地域住民など多くの方々がサポートしています。

 平成13年度秋の一斉清掃では38会場で約8,000人もの方が参加し過去最高となりました。この清掃活動は現在、春と秋に実施していますが、単にゴミを拾うだけでなく、ゴミの種類を調査したり、水質状況の確認なども同時に行ったりしています。

 また、荒川クリーンエイド・フォーラムでは、そのほかに年間を通して親子で参加できるものなどを含め、河川美化や環境保全意識形成のための様々なイベントを行っていますので興味のある方はこちらも参加してみて下さい。


6.荒川下流部ゴミ対策協議会

 アクションプランを河川管理者と自治体が協力し計画的に実行するため、定期的にあるいは必要に応じて開催していくものです。平成12年11月には、アクションプランの具体化と広報について議論しました。今後は、ゴミの回収方法について協議していきます。

 以上の6つがアクションプランの内容です。

 このようにして、過去のゴミの種類や量、捨てられやすい場所などを分析しながら不法投棄されないための方法を考えていくと共に、今後も引き続きまだまだPR不足のこのアクションプランの啓発宣伝を強化しながらゴミゼロに向けて努力して参りますので、今後ともご理解・ご協力の程、宜しくお願いいたします。