何年か前に、小学校の先生から「一年中咲いている花ってありますか?」って質問されました。皆さんはどう思います?あると思いますか?ないと思いますか?では、すぐに荒川河川敷に行ってみてください。よく見ると、ちらほらと黄色い花が、地面すれすれに咲いているはずです。そう、タンポポです。タンポポでも「セイヨウタンポポ」外来種です。 春や夏に見かける彼らは、茎の長さはまちまちで結構な長さですよね。実は、寒い時期には寒さから身を守るように低く咲いています。また、花を咲かせていない状態を「ロゼット状」(バラの花びら状)と呼んでいます。セイヨウタンポポ以外にもたくさんロゼット状になる植物がいます。ロゼット状に近い状態で冬を越すものもいますが、ロゼットの定義があり、その定義に当てはまらないとロゼットとは言えません。葉っぱが放射状になっていて葉っぱ同士が交差しない。そして、中心に幾重にも葉っぱが重なっている新芽があること。これが定義です。 日本には、カントウタンポポ、シロバナタンポポ、エゾタンポポなど種類がありますが、私たちがみかけるタンポポは「セイヨウタンポポ」だと思ってよいでしょう。セイヨウタンポポはクローン(受粉しなくても増えていくもの)でも増えることが可能です。したがって、江戸時代ぐらい「食用」として日本に持ち込まれた彼らは、綿毛で種を飛ばし、あっという間に日本中に広まってしまったそうです。最近は、在来種のタンポポとセイヨウタンポポの交雑種も多数見られれるようになり、在来タンポポの減少に輪をかけています。 タンポポの茎を切って断面に切り込みを入れると、くるっと反り返って「鼓」みたいになりますよね。鼓をたたくと「タン・ポン・ポン」と音がするところから「タンポポ」という説が有力ですが、その他の説もあります。英名は「ダンディー・ライオン」葉っぱのギザギザをライオンの歯に見立てたそうです。 |
花びららのようなのがひとつの花です。花の集合体です。 |
- トップ >
- 荒川いきもの生活日記
| みなさんは、河川敷や道端・空き地に生えている植物を「雑草」と、呼んでいませんか?川や池で獲れるサカナを「クチボソ」と、呼んでませんか?荒川で獲れる魚のハゼを「ダボハゼ」って呼んでませんか?「雑草という名の植物はない」とも言われています。20世紀最高の名言だと僕は思います。生き物すべてに名前があり、生き物すべてに生活があります。このコーナーでは、自然案内人の目線で、荒川の生き物の「生活」をご紹介します。目からうろこが落ちた!……は、保障できませんが、くどくならない程度、飽きない程度に、「荒川いきもの生活日記」をご紹介します。 | 自然案内人橋本浩基 |
寒くたって平気です! ~タンポポ~
昔からメジャーですが、ミステリアスな私・・・ ~ウナギ~
今が旬!とはいえない生き物ですが、生物学上あるいは水産資源上、最近話題になった生き物なのです。ある意味、今が旬だといえる生き物です。もちろん、荒川でも出会えます。夜釣りで・・・ウナギです。ウナギといえば、土用の丑の日。平賀源内があまり繁盛してない知人の鰻屋さんを繁盛させるため、店先に「土用の丑の日」と看板を出して、ウナギを食べてもらうように考案したのが始まりと言われています。 そんなウナギのミステリアスなことは、皆さんもご存知だと思いますが、産卵場所です。昔からメジャーではありますが生態は謎!『山芋転じてウナギとなる』という言葉があります。ウナギは淡水では産卵しないのです。なのに、ある日突然に今までいなかったウナギが、池や沼に現れるのです。産卵した形跡も、ウナギ自体がいなかったのに?と昔の人は不思議に思ったはずです。なので、山芋がウナギに変わる、と思われていました。あのアリストテレスでさえ、ウナギの産卵の事実を知らず、『ウナギは泥から生ず』と言い張っていたそうです。なぜ突然、池や沼にウナギが現れるかというと、ウナギは皮膚呼吸もできます。雨が降り、土が湿るとその湿っているところを、ウナギははってA池からB池へ移動するのです。もっとすごいのは、滝を登ることもできます。といっても、滝周りの濡れた岩をはってどんどん登るのです。それが「うなぎのぼり」の語源です。 ある意味、今が旬。新聞にも載っていましたが、ウナギの産卵の解明ができたのです。ウナギの卵が見つかったのです。産卵場所はマリアナ海溝付近の深海ではないかと考えられていました。今回の発見でそれが証明されたのです。 ウナギの血には毒があります。目に入ると結膜炎を起こします。傷口に入るとかゆくなり、血管を伝って体中がかゆくなるので、血が手についたらよく洗いましょう! |
ヌルヌルの体ですが、うろこは体の下に埋まっています。 |
鳥界のものまね王者?鳥界のギャング? ~モズ~
冬の荒川河川敷の小枝に、カエルやトカゲなどが突き刺さっているのを見たことがありますか?これも、前回にお話しました「フィールドサイン」のひとつです。犯人は「モズ」です。 モズは「百舌鳥」と漢字で書きます。「ギチギチ」と低く鳴き、秋の縄張り宣言では「ギョンギョンキチキチ・・キィーキィーキィー」と尾羽を回しながら、高く鳴きます。と、思えばいろんな鳥の鳴きまねをしています。百枚の舌を持っているのでは?ということで「百(も)舌鳥」となったそうです。たまに、鳴きまねを気持ちよく、まるでカラオケをして自己満足をしたかのように、最後に「グフフフフ」と聞こえるときがあります。気のせいではないと思います・・・。 ものまね王者で、ギャング的な彼らの求愛行動は、オスに決定権はなく、メスがいくつものオスの縄張りを巡ります。メスが相手を決めると、メスは甘えた小鳥のような鳴き声と身振りで、オスに甘え始めます。相手に認められたオスは、メスに餌をプレゼントし始めます。とても仲のよい夫婦に見えます。しかし、ひとつの巣の子どものDNAを調べたら、なんと!数匹のオスのDNAが確認されたそうです。 |
ズングリムックリの体に、長い尾がアンバランス? |
春の七草ではないのですが・・・・ ~ホトケノザ~
この時季、荒川土手の日当たりのよい斜面を見ると、紫色の細長い花が咲いています。茎をひと回りするような葉っぱがついています。本当は、春の野草なのですが、気の早い個体は12月に咲き出します。そうです。「ホトケノザ」です。 「ホトケノザ」というと、皆さんも「春の七草」のひとつが浮かんでくると思います。春の七草のホトケノザは、キク科の野草です。「コオニタビラコ」という標準和名がついています。「ホトケノザ」・・・いかにも春の七草に、思えてしまうような和風的な名前ですね。実はシソ科の野草で原産国は東アジア、ヨーロッパ、北アフリカに広く分布している外来種です。 ホトケノザを見つけたら、『茎』に注目してください。ちょっとだけ茎を拝借して、その形を確認してください。普通、茎の形は丸いですよね。ところが、ホトケノザは『四角』です。ホトケノザに限らず、シソ科の植物の茎は四角いのです。それがシソ科の特徴です。シソ科には、ミントやハーブ系の一部もあります。『セージ』もシソ科で、サルビアに近い仲間です。日本のシソは、ジャパニーズ・ミントというところでしょうか。 ホトケノザは、本当は冬に発芽し、春を待ち3月に開花するのが普通なのですが、今の時季に咲くということは、早咲き?遅咲き?どちらでしょうか?きっと咲いているのは温暖化の影響でしょうね。 |
一面に咲き乱れると、圧巻です。紫色と濃い緑色の絨毯みたいです。 |


