そろそろ荒川河川敷にも道端にも、ひときわ目を引く鮮やかな紅紫の花が咲き始めますね。先端に巻きひげ状の蔓があるマメ科の植物。ソラマメに近いカラスノエンドウです。 彼らは、とてもおいしいです。葉っぱは、お浸し、天ぷらに。「エンドウ」と名がつくだけに、実も柔らかいうちに、バターと醤油で炒めてください。ある小学校の環境学習で、カラスノエンドウの観察をし、採った実をバター醤油炒めにして、みんなで食べました。保護者の方はもちろん、子ども達も「おいしい~!」と、大好評でしたが担任の先生いわく「給食で出したら残すだろな~」。子ども達にはちょっと苦いのかな? オリエント~地中海地方が原産国。この地方ではエンドウマメと一緒に農作物として栽培していたと考古学的書物に記載されているそうです。だからおいしいのですね! ヤハズエンドウと別名を持っていますが、正式和名はカラスノエンドウ。漢字にすると、烏野豌豆ですが、これは中国漢字です。人間が利用するもので、大きめのものを「カラス」とつけます。エンドウは円豆(エンズ)がエントウとなり、カラスエンドウになりました。また熟した実は黒くなり、その色から「カラスノエンドウ」と命名されたという説もあります。 |
花は、杏仁豆腐やゼリーの彩りに使うと、一層おいしく見えるかも?食べるときは慣れた人の指導の下で! |
- トップ >
- 荒川いきもの生活日記
| みなさんは、河川敷や道端・空き地に生えている植物を「雑草」と、呼んでいませんか?川や池で獲れるサカナを「クチボソ」と、呼んでませんか?荒川で獲れる魚のハゼを「ダボハゼ」って呼んでませんか?「雑草という名の植物はない」とも言われています。20世紀最高の名言だと僕は思います。生き物すべてに名前があり、生き物すべてに生活があります。このコーナーでは、自然案内人の目線で、荒川の生き物の「生活」をご紹介します。目からうろこが落ちた!……は、保障できませんが、くどくならない程度、飽きない程度に、「荒川いきもの生活日記」をご紹介します。 | 自然案内人橋本浩基 |
河川敷や道端の野菜? ~カラスノエンドウ~
太陽だって本当はへっちゃらさっ!~モグラ~
あまりにも有名だが、生きている実物に出会うことは滅多にない生き物は?荒川の河川敷にも生息していると思います。工事作業服に身を包み、サングラスをつけて、スコップを担いでいる姿が描写されている生き物。モグラです。 そんな絵から、モグラは太陽光にあたると、"死んでしまう"と、思われがちですが、へっちゃらなのです!実際に土の中ではなく、天井や壁に透明な筒状のものを張り巡らせ、その中をモグラが自由に移動している。そんな飼育をしている施設もあります。でも、自然界では、好んで地上には出ません。 漢字で書くと、「土竜」ですね。彼らはトンネルを掘り進み、土がたまると地上に出します。それをモグラ塚といいます。土を高く盛ることを「うごろもつ」といい、「宇古呂毛知」と漢字に当てはめ、毛知を取り、モグラに転じた説が有力だそうです。箱根以東にいるのは、アズマモグラです。
|
チャーハンのようなモグラ塚です |
干潟の地雷!? ~アカエイ~
荒川下流域でもっとも危険な生き物が、彼らといってもいいでしょう。水ぬるむ時季にシジミ獲りや、投網、釣りなどで水辺にサンダルや素足で入ると危険です。砂の中には彼らが潜んでいて踏まれると反撃します。"ブスッ!"っと、まさに干潟の地雷。「アカエイ」です。 魚類は、硬骨魚類と軟骨魚類の2類に分けられています。エイ類・サメ類は軟骨魚類で、デポン紀(4億~3億年前)に出現しています。人類の大先輩なのです。 円形に近い体に、細長い尾鰭がついています。柄杓(ひしゃく)のような柄(え)がついている魚。そこから、「エイ」に転じたとか、長い尾鰭を「燕尾」に見立て、「エイ」になったとか、諸説あります。その、長い尾鰭の付け根付近に、1~2本のとげがあり、これに刺されるととても厄介なのです。のこぎり状になっているそのとげは、刺さると抜けないし、毒があるし。大きなアカエイの毒針は、大人の大腿骨をも貫くほどの凄まじさです。 その毒針と2mもの大きさが由来してか、江戸時代の書物にも、妖怪としても取り上げられています。どこまでも続く干潟を歩いて行っても水に近寄れないほどの大きい妖怪として・・。ゲゲゲの鬼太郎もびっくり!かもですね。 水が恋しくなるころ、彼らはやってきます。決して地雷は踏まないように!! |
ひっくり返すと口とエラがある。有名なコメディアンに見えるかも! |
見かけによらず・・・したたかです! ~ユリカモメ~
荒川河川敷で見られる代表的な鳥といえば、東京都の鳥でもあり交通機関の名前にもなっている「ユリカモメ」です。白くてかわいくてアイドル的な存在です。が、したたかです! 本来、ユリカモメは冬鳥として越冬しに本州南部の最も内陸地までやってくるカモメの仲間です。古事記や伊勢物語で"都鳥"と呼ばれていた鳥はユリカモメ(本当のミヤコドリはチドリの仲間)だといわれて、昔から親しまれている鳥です。 白色でかわいい姿が名前の由来にもなっています。「カモメ」は幼鳥のとき籠のような柄をしています。この籠目(かごめ)柄が「カモメ」(かもめ)と呼ばれるようになったそうです。そして白くスマートな体が"ユリの花"みたいでユリカモメになったとか、海辺よりも入り江に多く居るのでイリエカモメがユリカモメに転じたとか諸説あります。 他の鳥がエサをくわえていると襲い掛かり奪います。僕はユリカモメを嫌いではありませんが、「外面如菩薩内心如夜叉」という言葉が浮かんでしまうのです。ユリカモメファンの方、ごめんなさい。 |
くちばしと脚が赤いのが特徴です。若鶏は黄色いです。 |
結構、トリたちヒトたちの役に立っています! ~カイガラムシ~
荒川河川敷の立ち枯れをしているヨシに、スズメやシジュウカラ・カワラヒワなどの小鳥がしがみつくようにくっつき、一心不乱に何かをついばんでいるところを見たことがありますか?実は冬の時期に昆虫を食べているのです。これがとても貴重なタンパク源になるのです。 「ビワコカタカイガラモドキ」という名前から、みなさんはどんな生き物を想像しますか?巻き貝の仲間?そんな感じですよね?彼らは、カイガラムシの仲間です。貝殻のような殻を屋根のように覆い、その下で生活しているのです。カイガラムシの仲間は、日本に土着している種類で400種とも言われている大所帯です。半翅目(はんしもく)に分類されていてセミやカメムシに近い昆虫です。 ヨシの茎にへばりつくような茶色い物体が彼らの本体です。周りの白い粉状のものは、彼らの排泄物。特に、匂いもしないし、茎を覆うタケノコの皮のようなもの(葉鞘)の下に隠れているので、一見、見つけにくいのですが、トリたちにはすぐに居場所がわかってしまうのです。鳥ってすごいですよね。 カイガラムシは鳥だけではなく、昔からヒトもお世話になっています。子どもたちはレコード盤というものを知っていますか?カイガラムシの分泌物から天然樹脂ができ、それがレコード盤に加工されていたのです。また、気持ち悪くなったらごめんなさい!ハムなどの着色料にも使われているのです。もう、ハムなんか食べるか!って、言わないでくださいね! |
どの茎にもいるわけではないのでよく探してください! |


