• 企業・団体のみなさまへ
  • 個人・グループのみなさまへ
  • ご参加いただいているみなさまへ

 前編【第一部】はこちら

■【第二部】2012年活動連絡会
後半の部では、一般社団法人JEAN事務局長小島あずさ氏をお招きし、「国際ゴミ調査と向かい合う~河川管理に携わる国内NPOは何を目指すべきか~」と題したテーマで話題提供いただきました。
今年の調査カードの改訂に代表されるように、国際ゴミ調査へどうローカルな市民団体が向き合っていくかという命題に対して、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。
 
1.講話 
      話題提供:小島あずさ 様(一般社団法人 JEAN事務局長)
    発表用資料(PDF 870KB)

(1)国際海岸クリーンアップ(ICC)とは拾ってきれいに から
調べて出さないために

  • ICCは、1986年に米国テキサス州でスタートし、日本では1990年から継続的に取り組んでいる、海を中心とした国際ゴミ調査活動である。
  • 毎年、9~10月に同じやり方で集めたゴミの内容を記録し、国際的に集約してゴミの実態を把握している。「ゴミを拾ってきれいにする」ことに留まらず、「調べて、出さないようにする」ことがその大きな目的である。
(2)ICCの成果:調査データを根拠に、企業や国に提言

  • 調査データを基に、米国・日本国内において、ゴミの現状把握と、発生元企業や国への提言がなされてきた。
    米国での成果

    • 対発生元: モートン社の塩袋(激減へ)、6パックリング(生分解性となる)
    • 対国: 「海洋プラスチック汚染調査・管理法」の策定

    日本国内での成果

    • 対発生元: レジンペレット(※)(漏出防止マニュアルの作成)、発泡スチロール製フロート(硬質フロートの商品化)
    • 対国: 「海洋漂着物等処理推進法」の制定

    注:(※)レジンペレットとは3~5㎜粒状のプラスチック製品の原料。

    国際的な成果:

    • 米国の6パックリングが日本の調査に挙がるなど、ゴミの移動に関わる推察を可能としている。
(3)ゴミは旅する:海ゴミの6~8割は、陸から発生

  • 水辺に堆積するゴミは、醜いだけでなく、多くの生物を傷つけている。
  • JEANが2011年6月に視察調査を行った北西ハワイ諸島ミッドウェイ環礁では、世界中から漂着したゴミによるコアホウドリへの被害を目の当たりにすることとなった。
  • 海ゴミの6~8割は、川を含めた陸から発生していることが明らかとなっている。つまり、すべての人が、世界の海ゴミの原因の一部であり、また、問題解決の一部を担っていると言えます。
(4)多様な場所での、共通の調査手法による、継続的な調査が必要 共に発生抑制策を!

  • 湖沼、川、流れ、雨水管等が、風にも助けられてゴミを海に運び、更に海流や風が海ゴミを運んで世界を回ります。
  • 様々な場所でのデータを分析することで、ゴミの発生や移動のメカニズムを知ることができる。
  • 共通の調査方法で実施することにより、広域的な課題を抽出し、国としての対策を求めることができる。
  • 継続的に調査に協力いただくと共に、今後も、発生抑制策の具体案を考え、実現に向けて行動を共にしていただけることを期待している。

 2.ディスカッション
    司会・進行:糸岡栄博(ACF理事・事務局長)
      (1)講演内容に関する質問
Q:レジンペレットの流出状況は特定できているのか?

  • 工場において、プラスチックの加工作業をしているときに散乱するのが最も多い。意識が高い工場では、掃き集めているが、そうでない工場では、排水口に流れ出てしまうのであろう。実態はつかみ切れていない。
  • プラスチック工業連盟の話によると、製品材料としての用途であれば、注意喚起はできるが、それ以外の用途(ぬいぐるみの詰め物など)では、同工業会も把握しきれていないため、そこがブラックボックス。
Q:コアホウドリやウミガメの影響について出ていることをさらに深く教えてもらいたい?

  • 飲み込みは、腸閉そくや窒息を誘発するという事例が報告されている。
  • 食べ物として飲み込む事例と、好奇心から咥えて遊ぶという事例があるようだ。

Q:子どもたちへの伝え方で何か良いアドバイスがあれば教えて欲しい。

  • 三重県では宮川という、山の中腹に雨が降ると流域全部のゴミが下流に集まってしまうような構図の河川がある。
  • 鳥羽の博物館が企画したプログラムであるが、上流の子どもたち向けに、自分たちの近くの河原(上流)、中流域、下流域、河口域といった具合に何回かに分けて、河川と海岸現場を見にいくことを試みた事例があった。
  • 学校からは、実体験を伴う非常に良いプログラムである反響があった。

Q:川のゴミが海のゴミにどう影響しているか、JEANさんで良い結果を報告できるものはないか?海外の事例でなく国内の事例で教えて欲しい。

  • 明確な答えはできないものの、それぞれのゴミの品目から判断して、陸域からか、海域(船)からかという判断はできる。
  • ゴミの品目からの分析によって、海のごみの60~80パーセントが川を経由して流下した内陸からの生活ごみと判断されている。
  • 個々の川や地域により、影響の度合いや状況が異なる。この数字からも、川と海が同じ項目を同じ手法で調査し、結果を共有していくことが大事であると考えている。

   (2)ディスカッション
①カードのわかりやすさ

  • 国際ゴミ調査まで行わずとも、国内の団体に提供するに留めて良いのではないかという意見が出た場合、どのように判断するか。(進行)
  • それは荒川など地域の団体が考え、決めるものであって、JEANが決められることではない、JEANは国際手法の利点を説明し要請する立場はないかと思う。(小島さん)
  • 団体独自の調査の場合、他との比較や、結果を外に提供して広く活用に資することができない。(小島さん)
  • JEANでは、海につながる湖沼や水路、河川、市街地などでも国際的な共通手法で調査を実施し、結果を共有することで、地域限定でなく、流れていく先の海まで含めた実態把握や改善のための対策推進が可能になると考えているので、理解や協力を求めていきたい。(小島さん) 
  • 初めての人でも、おおざっぱに読んで、どこにどのゴミが書いているかがわかるくらい簡略化したカードにしてもらいたい。(参加者)
  • ICC主催のNGOオーシャンコンサーバンシー(米国)では、当初素材別のカードを使用しており、それはゴミが何でできているか、そこに気付きを誘導するという目的があった。10年以上その方法で調査し相応を把握することができたので、次のステップとして、人のどのような行動に起因してゴミが発生するかを調べるために、カードの並べ替えをした。(小島さん)
  • 素材別がわかりやすければ、そのほうが良い。ふりかえりの場で、最終的な気付きを与える際に、どんな行為に起因するかということを話し合ってもらえれば良いのではないか。(参加者)
  • 昨年、自分ひとりで430人分の参加者の結果をまとめた。趣旨はよくわかるが正直大変だった。また、調査カードがちょっとわかり辛いという感想があった。また、集計してだんだん嫌になったのか、次第におおざっぱな書きぶりとなっている事例もあった。(参加者)
②全国・世界とのコミュニケーション

  • UNEPなど調査結果を出された立場の反応などはどうであったか?(進行)
  • 直接会議の場で発表したわけではないので、具体的なことはわからない。(小島さん)
  • 少なからず、データを発信された各主体の反応について私たちは知りたい。それをACFとしても参加者に共有するなど、双方向のコミュニケーションを図っていきたいところ。成果を共有するとこで、ロカール団体と世界との対話が始まるのではないか(進行)
  • 全国に河川ゴミのネットワークを構築する場合には、ICCの詳細なゴミ調査カードを使うのか、それ以外の方法があるのかを模索している。(進行)
  • もしICCを難しい調査手法だと感じているのであれば、方法を工夫してほしい。最初にどういう大分類になっているか、カードの説明をする。記録の対象となっているゴミの品目を読み合わせするのだが、一回行うだけでずいぶんと違う。(小島さん)
③今後に向けて(進行より)

  • まだ飲料メーカーからの参加がない。業界団体との対話も踏まえながら、ゴミの減量策を検討していく。
  • 国際発信まで加味してこういう調査をすること自体は良いだろうか。
  • 荒川が荒川で終わらない工夫や付加価値として、ICCへ参加することで良いだろうか。
  • 本日いただいた活動を簡略化するための工夫をしっかり凝らすことで、来年も継続していくこととする。意見があれば、事務局までご一報願う。
④最後に参加者にメッセージ(小島さんより)

  • 馴染まれてきたカードを変更するのに大きな戸惑いがあるのはわかる。
  • 勿論、誰かが強制するものではない。JEANでも秋はICCに準拠し実施するが、春はゴミ回収を中心にして実施するというやり方を取っている。年1回はICCに参加する、というように考え方を少し柔軟にやっていただきたい。JEANとしては世界につながるICCにて実施頂きたいが、続けることが大事なので、その点を加味して皆で話し合ってほしい。
  • また日本国内では、山形の最上川や京都の保津川など、ICCを長年実施した事例があることも知ってもらいたい。

3.次年度活動スケジュールについて 
   下記資料について事務局より紹介
     次年度活動スケジュール予定資料(PDF 140KB)

閉会