みなさんは、河川敷や道端・空き地に生えている植物を「雑草」と、呼んでいませんか?川や池で獲れるサカナを「クチボソ」と、呼んでませんか?荒川で獲れる魚のハゼを「ダボハゼ」って呼んでませんか?「雑草という名の植物はない」とも言われています。20世紀最高の名言だと僕は思います。生き物すべてに名前があり、生き物すべてに生活があります。このコーナーでは、自然案内人の目線で、荒川の生き物の「生活」をご紹介します。目からうろこが落ちた!……は、保障できませんが、くどくならない程度、飽きない程度に、「荒川いきもの生活日記」をご紹介します。 活動1自然案内人
橋本浩基

口から怪光線・・・じゃなく、超音波発射! ~アブラコウモリPART2~

アブラコウモリを鳥だと思っている人は多いはず。しょうがないですよね。羽があって飛んでいるのだから。彼らの翼に見えるのは、人間で言う「手と腕」なのです。親指以外の4本の指の間に皮膜があり、それが、後ろ脚までつながっています。しかも尾の周りにもあるので、胸の筋肉を使って鳥のように羽ばたけるのです。

でも、暗闇なので羽ばたけば飛べるわけではないのです。彼らは、口から超音波(人の耳には聞こえない音)を発射し自分に跳ね返ってくる時間で、餌や障害物との距離を測っているのです。跳ね返ってくる超音波は耳で感知します。耳に帰ってくる時間が長ければ、距離は遠い。早ければ近いということです。だから、小さい虫も難なく食べられるのです。その、超音波を聞くことのできる装置が実はあるのです。その名も「バット・ディテクター」。コウモリ探知機です。アブラコウモリの超音波は400Hzで「プチ・プチ」と聞こえてきます。

羽ばたくことが彼らの移動手段で、脚の筋肉は極々少なく、立っていることさえ苦手なので、岩の隙間や木の枝に鋭い爪を引っ掛けてぶら下がっているのです。橋の下にもぶら下がっていることもあり、それが、川を守っているように思えたのか、カワモリがコウモリになったとか。由来は複数あります。アブラは、九州地方でコウモリをアブラムシと呼んでいたからとか。シーボルトが日本のコウモリと紹介したことから、学名にもアブラムシと、付いています。

バットマンとか、吸血鬼とか、歌舞伎役者の手ぬぐい柄とか。やっぱり身近な生き物なのですね!


      <バット・ディテクター>     ポータブルラジオぐらいの大きさですが、高性能です!機会があったら聞いてください!

私の好物は決して血じゃありません! ~アブラコウモリPART1~

この時季、荒川河川敷の昼間の主役は、いろんな鳥たちですね。鳥たちがねぐらに帰る薄暮の空の主役は、夜の支配者に変わります。哺乳類なのに自由に闇夜の空を飛びまわれるアブラコウモリです。
小学校の低学年に、「コウモリの大好物は?」と、質問すると、何のためらいもなく「血!」と答えます。もちろん、"血"を吸うコウモリもいますが、ほとんどのコウモリは、蛾や蚊などの小型昆虫を食べる仲間と果実を食べる仲間です。決して"血"ではないのです。

世界の哺乳類は、約4千種でコウモリ類は約千種。4分の1を占めていています。日本では哺乳類約百種のうち、33種のコウモリが確認されています。まさに、コウモリ王国ニッポン!です。アブラコウモリは、イエコウモリとも呼ばれ、街中や住宅地に多く生息しています。郊外に行くと民家が少なくなるので、アブラコウモリは少なくなるのです。パチンコ玉位の大きさの穴があれば、そこから屋根裏や、壁の隙間に入り込み棲みつきます。しかも、大群で。

コウモリは、福を呼ぶ動物と昔は言われていましたが、西洋の吸血鬼が有名になり、福というイメージが崩れました。昔から彼らは、家庭円満な家が好きと言われています。家の周りに、アブラコウモリの糞(犬の糞を小さくした感じ)が落ちていれば、皆さんの家庭は円満!という証拠になります。えっ?お宅にはないですと?至急、家族会議を開いてください・・。家庭円満=温かい家庭→暖かい家庭。彼らは暖かいほうが好きなので、糞が無いから家庭円満でない。ってことはないです。ご安心を!
アブラコウモリは、とても面白い生き物です。書ききれないので2回に分けて紹介いたします。


帰り損ねたのか、石灯籠の下で、日が暮れるのを待っていました。無事、飛び立っていきました!

太陽だって本当はへっちゃらさっ!~モグラ~

あまりにも有名だが、生きている実物に出会うことは滅多にない生き物は?荒川の河川敷にも生息していると思います。工事作業服に身を包み、サングラスをつけて、スコップを担いでいる姿が描写されている生き物。モグラです。

そんな絵から、モグラは太陽光にあたると、"死んでしまう"と、思われがちですが、へっちゃらなのです!実際に土の中ではなく、天井や壁に透明な筒状のものを張り巡らせ、その中をモグラが自由に移動している。そんな飼育をしている施設もあります。でも、自然界では、好んで地上には出ません。
モグラの大きさはどの位でしょうか?だいたいコロッケと同じぐらいと思ってください。12~16cmぐらい。結構小さいですね。その大きさで、広大な敷地(縄張り)を持っています。人の大きさで換算すると、なんと東京ドームひとつ分の敷地なのです。ちょっと寂しいかも・・。しかも規則正しい生活をしていて、6時間周期(8時間周期ともいわれている)で活動と休息を繰り返しています。時間が来ると、その場で電池が切れたように居眠りし始めます。鼻ちょうちんを出しながら。規則正しいですね!

漢字で書くと、「土竜」ですね。彼らはトンネルを掘り進み、土がたまると地上に出します。それをモグラ塚といいます。土を高く盛ることを「うごろもつ」といい、「宇古呂毛知」と漢字に当てはめ、毛知を取り、モグラに転じた説が有力だそうです。箱根以東にいるのは、アズマモグラです。
ミミズが大好物な彼ら。時間になると、きっとミミズを食べながら寝ちゃうのだろうな~。


チャーハンのようなモグラ塚です